高円寺日記☆痛T.com

高円寺の街情報やら製作したTシャツの宣伝やらアパレル業界やら古着業界などの話

ショーオフ26号掲載【モグモグエンジー】

入りづらい店in高円寺・シリーズ第2弾
 
 以前好評を博した『入りづらい』シリーズ第2弾だ。あまり気の進まない企画である。[シリーズ]としてしまった以上、入りづらい店にあと3回も4回も入らなくてはならないのかと気が滅入る。
だが原稿締め切りまで時間が無い。

今更知り合いが「実はココこそ高円寺で一番入りづらい店だ」と言い出した店に行ってみると、確かに入り口の両横に人を阻むように設置されてる洗濯機とエアコンのでっかい室外機やら、引き戸の取っ手部分の修理にほどこされてるビニールテープやら他店には中々無い状況。とても入りづらく熊のようにウロウロ逡巡していたが、住宅街の只中にあるため通報されてもイヤなので入店!
すると真昼間からビールを飲んでる客が一人。一般的に、入りづらい要素として「客を誘っているとは思いにくい外観」の次に「常連」の存在があるが、ここでも早速のお出迎えだ。フットワークを効かせて相手に踏み込んだ途端軽くジャブを食らった感じか。
とりあえず着席。すると店のおばちゃんが何もそこまで、というくらい困った顔をしている。今まで新規客が来て「ビックリ」程度の顔には何度か出会ったが、そんなに困った顔はないだろーとこちらも困りながら壁のメニューを見ていると、昼飯を食いに来たワタシに対しておばちゃんが
「…あのー、私は何も出来なくて…夕方なら店主が来るからその時来てくれない」と言い出した。
いきなりものすごいストレートパンチ。えっえー!だってのれん出てたし、お客だっているじゃん!と隣の常連の出されているモノを見てフックを浴びる。ビールとゆで卵とメンマ…。ますます困り顔のおばちゃんの顔を見て仕方なく店を出るワタシ。トホホ。
 別の団員にも行かせてみた。その団員が到着したとき、やはり入りづらくてしばらくウロウロした後、ちょっと店内をガラス越しにのぞいて見たと言う。テレビで大音響で叶恭子がダイヤを持って失踪した?「妹」のことを語っている傍ら、使いかけのようなまな板と包丁がそのままに。だが人影は無く、思わずおばちゃんか店主は床に倒れてるのかと探したが幽霊船のような光景に怖くなり、その場を逃げ出したという。

 仕方が無いので?その夜19:00頃行ってみた。人の気配がする。ガラガラ戸を開けると店主らしきおじいちゃんがいた。良かった、会えて。ところがこっちがホッとしているのにおじいちゃんがニラみ付けている。丸顔のイカリヤチョー介といった感じの風貌、チノパンにチェックネルシャツ+ダウン、安くなさそうな耳宛付きキャップという意外にアメカジおしゃれなおじいちゃんがニラんでる。
ボディーにブローをずんずん食らっているようなプレッシャーの中、もちろんワタシはニラみ返すでもなく、あらためて結構数あるメニューを見る。安い!ラーメン350円、他のものも600円以下だ!
しかし!ワタシはやせても太ってももぐもぐジャーナリストだ。昼間のつまみ「ゆで卵+メンマ」とか冷蔵庫が家庭用だとか、厨房に生活品はあふれてるのに、肝心の料理材料や備品はあまり見当たらない様子などを瞬時にインプットして、かなり高度な判断をはじき出した。
「ラーメンください」と告げる。
またニラまれたが、うむ、とうなずいてくれた。そういう顔なんだろう。ここでワタシが下心を抱いて手間ひまかかるカツ丼なぞオーダーしようものなら、下手すれば一時間以上かけて作ってくれるか、まあ「今日は無い」と言われるのが95%くらいの雰囲気だったのでベストチョイスであったろうと思われる。
 非常に精神的に厳しかったオーダーを終え、店内を見渡すと、昼の客もそうだったがどうみても独身だろうという中年の常連客が2人ほど、ハムサラダだけをつまみにお茶割を飲んでいる…と思ったら、ちょっとヘン。周りに焼酎が見当たらない。2リットルのペットボトル茶をそれぞれがひたすら飲んでいる。ペットボトルの中に既に酒が仕込んであるのか??まさか…まあ常連だけの秘密でもあるのだろうと気にしないよう務めたが、私が帰るまで彼らはMYペットボトルのお茶?を飲み続けた。店内にはやたらカレンダーが目隠し代わりなのか貼ってあり7種類、意外にマメなんだな、と思ったのはそのうち5種類が今年のカレンダーでした。
 さて、おじいちゃんがラーメンを作り始める。ああ、鍋2つ、湯を沸かし始めた…スープ用と麺ゆでる用。メニューを決める際、あるはずの仕込みスープやたれの寸胴鍋などが見当たらなかったので不安を覚えたが、看板メニューのようでもあったので奥のほうから引っ張り出してくれるのを期待していたのだ。しかし一からスープを作るようだ…。
もしカツ丼にしていたらどーなっちゃってただろうか。まず肉を買いに行っていただろう。スープ用と思われるほうに鶏がらスープの素を入れ始めた。私の目の前で「入れすぎ!いれすぎ!」というくらいタップリ。そしてトッピングはモヤシと、なんと、半分欠けたチャーシュー一切れ!おじいちゃん半分つまみ食いかよ!と突っ込みたいのをこらえ、色々な思いで頂きました。もう、KO負けです。いろんな意味で。

 基本的にこのシリーズは、非日常的空間を多少マゾ的快楽をもって味わうものなのだが、マックでエビちゃんとか食べていては絶対に見ることの出来ない世界を垣間見ることが出来る。
独身中年常連達は何故イカリヤじいさんの仏頂面とハムサラダを肴にお茶なのか。あなたの知らない世界。
自分は何が出来るか?
今の仕事でいいのかオレ?
人生とは?などとクヨクヨ部屋で悩んでる暇があったらこういう店に足を運べ!きっと何かが見つかる。かもしれないこのお店はあずま通りを早稲田通りに抜けて渡り、左に曲がって牛乳屋と洋服の仕立て直し屋の間の路地を行き一分ほど。店名『三楽』。
 ただですね、フォローを入れるわけでもないですが、昔はおじいちゃんもバリバリやってたんだと思いますよ。寄る年波で引退したくても、己の腕一つでやってきた職人というのは店を離れられないんですな。老店主の深い顔のシワに刻まれた年月の重みに感じ入る心の旅路。あーほんとにシリーズなのこれ。

ショーオフ27号掲載 【モグモグエンジー】


夏のおもひで


今までのモグモグは、暑い季節に心頭滅却だ!とか言ってうどん特集をしたりと、どーも子供じみていたことを認めよう。もう立派な大人として普通に季節感あふれる特集を、お役に立つ情報をお届けしなければ!と使命感に燃え燃えながらの今回のもぐもぐはなんと「ソフトクリーム対決」だ!サマー!

当たり前すぎて面白みに欠ける特集に思うかもしれないが、なにせ3日間いろんな店のいろんなフレーバーを喰い続けてワタシはゲップがもう甘?いバニラビーンズの香りだし他の団員は腹下しだしと、肉体的にツライ取材であったので、無理してでも楽しく読むように。

 そもそもは、わがモグモグ団が毎年阿波踊りの際、南口ロータリーの花屋の隣の『古着商 大虎』の前で営業している大人のカキ氷(梅酒・カシスオレンジ・カルーアミルクの、ほんとの酒をかける)が大好評のため、今年は他にソフトクリームでもやるかと、情報収集のため高円寺北口をぶらついている際、純情商店街の突き当たりに見慣れないソフトクリーム屋を発見!以前から庚申通りには何軒かあるし、ひょんなことから知り合った、とある高円寺マダム情報によると『トリアノン』が夏になると始めるソフトクリームが絶品とのこと。
なんだなんだ知らないうちに高円寺がソフトクリーム激戦地になってるのか??
これは食べ比べて対決せねばならぬ、と相成った。(後にこの‘対決‘とは店どうしの対決に非ず、己の胃腸と膨大なソフトクリームとの対決のことであったと気づく) 
 ソフトクリームというと思い出すのはまだクーラーがあまり普及してないワタシの子供の時分の夏の情景と匂いだ。
外のほうがまだ風がある分涼しいというので高度成長期時代のお父さんお母さんたちは子供達に帽子をかぶせ、動物園や海に連れて行った。そういったところで必ずおねだりして買ってもらうのがソフトクリームだった。母が「ソフトクリームはこないだ大腸菌騒ぎがあったばかりだから、、」とぶつくさ言いながらもやっと買ってくれたばかりのを、すぐにけつまずいて根元からボロンと落とし大泣き。なんとかもう一度買ってもらい、象舎のすぐ脇で敷きワラとフンのムレムレ匂いの中、 涙と汗と溶けたソフトクリームでベチョベチョになりながらベロベロした記憶が誰にでもあるのではないだろーか。
大人になって、自分であちこち旅行するようになって牧場なぞ行って、搾りたての牛乳で作ったとかのソフトクリームをベロンベロンしているときも牧場ですから風に乗ってプ〜ンと牛くせえ。するとああ夏であるなとワタシはしみじみするのだが、どーか。

 冒頭のソフトクリーム屋はもちろん動物臭とは無縁だが、北海道の牧場直送が売りであるらしく他の商品もカップアイスだけで勝負だ。冬はどーするのですかと聞くと、「どうしましょう・・」と大地的なおおらかな答えが返ってきて秀逸。店名は『Sun Pillar(サンピラー)』。北海道はおこっぺ(興部)町農協女子部が開発、保存料などの添加物が一切入っていないというミルク味のソフトクリーム(ミニ200円レギュラー280円)は、あっさりと優しい甘さ、口溶けのよさ、あふれるミルク感で美味美味。テイクアウト可能なアイスクリーム(240円)のほうも全体的にさっぱりとしていて、添加物が入っていないとこんなにすっきりとしたいかにも健康的な味になるのだね。冬場がんばって下さい。

 対するはマダムご推薦・南口老舗純喫茶『トリアノン』の、テイクアウトも出来るそのソフトクリームは「濃厚」!まったりと重いクリームをなんとかすくいとり、舌の上で2秒後に濃厚な甘さとミルク感がスパークする。もほー。なるほどこれは濃厚好きにはたまらない。サンピラーのとは好対照である。小220円大320円とちょっとだけお高いが、巻いてくれるお姉ちゃんによって(!)量も多いしテイクアウトにすると懐かしのコーンの「フタ」をかぶせてくれるぞ!いまどきそうそう無いぞ!この味の濃さの秘密は?とお姉ちゃんに聞くと、「さあ・・業者から来ますので…」と非常に高円寺的ゆるゆるアンサーが帰ってきて卓越。でも逆に言えば今は産地直送でなくても業者を選べばこれだけハイレベルということ。ちょっと苦しいか。美味いことには間違いないが。

 最後はテイクアウト・ジャンクフード激戦区である庚申通りも早稲田通りに近い最後のほう、『クレープランド』の28種ソフトクリーム¥200だ。中野にある、同じ28種のフレーバーを扱う他の店より50円も安いのはさすが高円寺!この近辺は気をつけないといつのまにか新しい、変わったテイストの店が出来ていて、大昔からあるやはり少々変わった店としのぎをけずる妙な区域である。クレープランドは同時にクレープを、2〜3軒隣のやはり多種のソフトクリームを売る店はたこ焼きと通年対策ばっちりである。どうせならあと3種増やして31にすればいいのにと思いながらも楽しくフレーバーを選ぶ。この時はすでに八丁味噌と北海道バニラで下腹がオーバーヒートならぬオーバークールダウンしたため、試したかった玄米味とピーナツ味、バラ味は泣く泣くあきらめたが、八丁味噌が意外に美味くて満足。ほんと。一口目は「げげっ味噌じゃん」なのだが、段々よくなる法華の太鼓である。(ここでほっけのたいこを漢字変換して、思い込んでいた漢字と違ってびっくりだ。ワタシは魚のホッケ漁が大漁を願って打ち鳴らす太鼓が大漁の興奮の中で段々激しくなってゆく様を表しているのかと思っていた。ホッケのビチビチ映像まで勝手に思い浮かべていた。猛省)

この地域はいずれ他の特集を組まねばなるまい。下腹の太鼓もピーピー段々よくなってきたところでおしまい。






ショーオフ28号掲載 【モグモグエンジー】

高円寺スイーツ

 先日、もぐもぐエンジーを愛読してるという知人に「てゆーか〜もぐもぐで取り上げられた店って結構ツブレてなくね?」と言われ、おっさんのくせに若者ぶった言い方で言いやがったという部分でカチンときたが内容に関してはドキンとした。
う〜ん確かに。そーなんです。ワタシも残念なんです。これはもう、「デスノート」ならぬ「モグノート」か!!
態度の悪い店や不当に高い店はモグノートに書いちゃうぞ〜!!とわめいていたら、他の団員に不謹慎ですねと注意されました。スミマセン。

 でもまあ、考えてみればワタシたちの紹介店舗を選ぶ際に企業ではなく個人でやってる、新しい店やちょっと変わった店、退廃美でいい味出してるような店も多いからしょうがないか〜、と気を取り直して!今回は去年あたりから高円寺に急増中の「スイーツ」の店特集だ。

 1軒目は純情商店街から庚申通りに入って、大和町に向かって少し行った左側、『Patisserie Ospite』。多分初夏のころオープンし始めたのだと思うが、「し始めた」というのは、一気にすべて整えてオープンしたのではなく、とりあえずオープンしちゃったのか?黒いテントに店名がまだ何も書いてなく、看板もなく、したがってケーキを買わないことには店名もわからないのであるが、そのケーキを買う行為が、働いているとヒジョーに困難なのだ。何しろ営業が夕方の5時くらいから。店が開いたら今度は大行列。一人しかいない販売のお姉さん(美人)は大変大変丁寧に応対しているのだが、行列がなが〜くなってゆくと次第に列から脱落者が出始める。実はワタシも並ぶのが大の苦手なのと、仕事の合間では長時間並べないため毎回脱落組であったが、ついに先日ここのウリであるワッフルをゲット!キャラメル味¥185、栗¥215と、かなりリーズナブル!ふわふわのワッフルにワタシの好きな味の生クリームでおいしゅうございました。

 2軒目はこのところカフェ通りとなりつつある高南通りで、駅から南にいくとラーメン「ざぼん」のあるブロックの角っこにあるおしゃれなクレープ屋『ROWELL(ロウエル)』。もし、バブル期にPlanet 3rdや、カフェマーブルが出店していたら高南通りには続々カフェやこういうおしゃれなスイーツ店が増えて、ミニ表参道みたいになっていたかもしれないなあと思う。お店は、平日はお姉さん(美人)が一人で注文を受けてからクレープを焼いて、フルーツなど巻き巻きしてくれる。店の前につながれたワンちゃんはお姉さんの番犬なのだろうか。お店イチオシのMIXフルーツロールは580円と少々高円寺的にはお高め感もあるが、お得なクーポン券がいただけるし、入っているフルーツも缶詰ではなくフレッシュなものが沢山入っているので、手間ひま・原価がかかっている。なにより、友達の家に遊びに行ったらそいつのキレイなお姉さんが「よ〜し、おやつ作ったげよか!ユミカのスペシャル・ゴージャス・クレー
プだぞお〜!」と手作りしてくれた・・ようなバーチャル感が味わえる。誰だよ、ユミカって。

 3軒目はルック通り,三平ストアと七つ森の間くらいの場所にあるタイヤキ店『たい夢』。やはり鯛の夢で「たい夢」なのだろーか。ここのタイヤキは少々小ぶりながら、皮がパリパリ中がほっこりで美味い。ことに皮のパリパリ感はなかなか他所では味わえない。店内では、お姉さん(美人)が黙々とタイヤキを焼いている。この店では定番のタイヤキ以外に、アイスの入った「冷たいタイヤキ」「カレータイヤキ」など変わったメニューもある。カレータイヤキは、入っているキーマ系のカレーそのものが美味い。子供でも食べられるマイルドな辛さだし、小腹を満たすのにオススメである。ワタシのようなメタボリッカーにはギトギト油なカレーパンより、こっちのほうが有難い。

 何故か、いずれの店も美人のお姉さんがキリキリ働いていたが、モグノート、じゃない、もぐもぐエンジーに書かれたからといっておびえないでください。





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痛T@サク

Author:痛T@サク
ようこそ!高円寺で洋服屋と古着屋をやってます
あと高円寺フリーペーパータウン誌show-off(ショーオフ)の編集にも携わっております。
まとまりはありませんがその周辺のことをダラダラ書いてます、まあ寄っててください。

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