ショーオフ27号掲載 【モグモグエンジー】
夏のおもひで
今までのモグモグは、暑い季節に心頭滅却だ!とか言ってうどん特集をしたりと、どーも子供じみていたことを認めよう。もう立派な大人として普通に季節感あふれる特集を、お役に立つ情報をお届けしなければ!と使命感に燃え燃えながらの今回のもぐもぐはなんと「ソフトクリーム対決」だ!サマー!
当たり前すぎて面白みに欠ける特集に思うかもしれないが、なにせ3日間いろんな店のいろんなフレーバーを喰い続けてワタシはゲップがもう甘?いバニラビーンズの香りだし他の団員は腹下しだしと、肉体的にツライ取材であったので、無理してでも楽しく読むように。
そもそもは、わがモグモグ団が毎年阿波踊りの際、南口ロータリーの花屋の隣の『古着商 大虎』の前で営業している大人のカキ氷(梅酒・カシスオレンジ・カルーアミルクの、ほんとの酒をかける)が大好評のため、今年は他にソフトクリームでもやるかと、情報収集のため高円寺北口をぶらついている際、純情商店街の突き当たりに見慣れないソフトクリーム屋を発見!以前から庚申通りには何軒かあるし、ひょんなことから知り合った、とある高円寺マダム情報によると『トリアノン』が夏になると始めるソフトクリームが絶品とのこと。
なんだなんだ知らないうちに高円寺がソフトクリーム激戦地になってるのか??
これは食べ比べて対決せねばならぬ、と相成った。(後にこの‘対決‘とは店どうしの対決に非ず、己の胃腸と膨大なソフトクリームとの対決のことであったと気づく)
ソフトクリームというと思い出すのはまだクーラーがあまり普及してないワタシの子供の時分の夏の情景と匂いだ。
外のほうがまだ風がある分涼しいというので高度成長期時代のお父さんお母さんたちは子供達に帽子をかぶせ、動物園や海に連れて行った。そういったところで必ずおねだりして買ってもらうのがソフトクリームだった。母が「ソフトクリームはこないだ大腸菌騒ぎがあったばかりだから、、」とぶつくさ言いながらもやっと買ってくれたばかりのを、すぐにけつまずいて根元からボロンと落とし大泣き。なんとかもう一度買ってもらい、象舎のすぐ脇で敷きワラとフンのムレムレ匂いの中、 涙と汗と溶けたソフトクリームでベチョベチョになりながらベロベロした記憶が誰にでもあるのではないだろーか。
大人になって、自分であちこち旅行するようになって牧場なぞ行って、搾りたての牛乳で作ったとかのソフトクリームをベロンベロンしているときも牧場ですから風に乗ってプ〜ンと牛くせえ。するとああ夏であるなとワタシはしみじみするのだが、どーか。
冒頭のソフトクリーム屋はもちろん動物臭とは無縁だが、北海道の牧場直送が売りであるらしく他の商品もカップアイスだけで勝負だ。冬はどーするのですかと聞くと、「どうしましょう・・」と大地的なおおらかな答えが返ってきて秀逸。店名は『Sun Pillar(サンピラー)』。北海道はおこっぺ(興部)町農協女子部が開発、保存料などの添加物が一切入っていないというミルク味のソフトクリーム(ミニ200円レギュラー280円)は、あっさりと優しい甘さ、口溶けのよさ、あふれるミルク感で美味美味。テイクアウト可能なアイスクリーム(240円)のほうも全体的にさっぱりとしていて、添加物が入っていないとこんなにすっきりとしたいかにも健康的な味になるのだね。冬場がんばって下さい。
対するはマダムご推薦・南口老舗純喫茶『トリアノン』の、テイクアウトも出来るそのソフトクリームは「濃厚」!まったりと重いクリームをなんとかすくいとり、舌の上で2秒後に濃厚な甘さとミルク感がスパークする。もほー。なるほどこれは濃厚好きにはたまらない。サンピラーのとは好対照である。小220円大320円とちょっとだけお高いが、巻いてくれるお姉ちゃんによって(!)量も多いしテイクアウトにすると懐かしのコーンの「フタ」をかぶせてくれるぞ!いまどきそうそう無いぞ!この味の濃さの秘密は?とお姉ちゃんに聞くと、「さあ・・業者から来ますので…」と非常に高円寺的ゆるゆるアンサーが帰ってきて卓越。でも逆に言えば今は産地直送でなくても業者を選べばこれだけハイレベルということ。ちょっと苦しいか。美味いことには間違いないが。
最後はテイクアウト・ジャンクフード激戦区である庚申通りも早稲田通りに近い最後のほう、『クレープランド』の28種ソフトクリーム¥200だ。中野にある、同じ28種のフレーバーを扱う他の店より50円も安いのはさすが高円寺!この近辺は気をつけないといつのまにか新しい、変わったテイストの店が出来ていて、大昔からあるやはり少々変わった店としのぎをけずる妙な区域である。クレープランドは同時にクレープを、2〜3軒隣のやはり多種のソフトクリームを売る店はたこ焼きと通年対策ばっちりである。どうせならあと3種増やして31にすればいいのにと思いながらも楽しくフレーバーを選ぶ。この時はすでに八丁味噌と北海道バニラで下腹がオーバーヒートならぬオーバークールダウンしたため、試したかった玄米味とピーナツ味、バラ味は泣く泣くあきらめたが、八丁味噌が意外に美味くて満足。ほんと。一口目は「げげっ味噌じゃん」なのだが、段々よくなる法華の太鼓である。(ここでほっけのたいこを漢字変換して、思い込んでいた漢字と違ってびっくりだ。ワタシは魚のホッケ漁が大漁を願って打ち鳴らす太鼓が大漁の興奮の中で段々激しくなってゆく様を表しているのかと思っていた。ホッケのビチビチ映像まで勝手に思い浮かべていた。猛省)
この地域はいずれ他の特集を組まねばなるまい。下腹の太鼓もピーピー段々よくなってきたところでおしまい。

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